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エレン・ペイジさんのスピーチ

映画

エレン・ペイジさんが人権団体Human Rights Campaign Foundation(ヒューマン・ライツ・キャンペーン財団:HRCF)のカンファレンスで行ったスピーチに感動したので、翻訳してみました。

映像はこちら:
http://youtu.be/1hlCEIUATzg

スピーチ原稿のPDFはこちら:
http://www.hrc.org/files/assets/resources/Ellen-Page-Remarks.pdf

にあります。

以下翻訳------------
こんにちは。歓迎してくれてありがとう!

チャド、温かい言葉をかけてくれてありがとう。あなたをはじめ、HRCFに感謝します。あなた方がアメリカ全土で日々行っているLGBTの若者支援活動に感謝します。

Time to THRIVEカンファレンスの開会式に登壇できて光栄です。
でも、少し変な感じもします。むしろ私が皆さんを心から尊敬しているからです。いまここで私は、他者の人生をより良いものにするべく、自分の人生を捧げている方々に囲まれています。ずっとずっと、良いものに、です。

皆さんは若者を教育し、癒やし、自分自身を再発見できるように支援しています。彼らの言葉に耳を傾け、彼らがより良い人生を送れるよう、活動しています。中には、自分自身がそんな若者である方もいらっしゃるでしょう。そんなみなさんの前でスピーチするのは少し変な感じです。

こうしてここに私がいる事も変ですよね。私は女優です。ある意味では、乱暴とも思われる「スタンダード」を人々に押しつける業界に属しています。美とは、良い人生、良い生活とは、成功とは何か―認めたくはないですが、こういった「スタンダード」が私に影響を与えてきたことも確かです。

いかに振る舞うべきか、いかに着飾るべきか、自分が何者であるべきか。誰かによって、いつのまにかこういった考えを植えつけられています。私は正直に自分らしくあろうとし、そうした「あるべきスタンダード」をはね返そうとしてきましたが、それはしばしばとても難しいことです。

けど、だからこそ私はここにいます。皆さんのいるここに。ひとりだけでは難しくても、私たちが協力すればもっとたくさんのことができます。そして私と同じように、そうした考えが皆さんの励みになればうれしいです。皆さんがこれから数日間のワークショップを通して、強さを得られればと思います。

私には想像することしかできませんが、皆さんの中にはきっと、子供の未来を信じ、支えるために、あなたの上司が気づいているよりもずっと長時間働いている方もいるでしょう。孤独にうちひしがれ、落ち込み、希望を失う日々もあったことでしょう。

ここには、毎日学校にいくたびに、理由もなく虐げられている人がいます。家に帰ったら帰ったで、両親に自分の真実を伝えられずに苦しんでいる人、自分の身の振り方を考える以前に、将来が不安でたまらない人。大学、仕事、身体的な安全さえ不安で、自分に一体これから何が起きるのかと悩み、その不安はあなたを日々蝕んでいく。それは苦痛であり、猛毒であり、あってはならない不公平です。

時には、ほんの些細な出来事があなたを打ちのめします。基本的にはゴシップ誌を読まないようにしていますが、ある日私はネットでこんな記事を見つけました。ジムに向かう途中の私がスウェットパンツを履いている写真に、ライターがこんなキャプションをつけていました:「小柄美人なのになぜ?大男のような残念ダボダボパンツ」。

なぜって?そのほうが楽だからにきまっているじゃない!世の中には、男らしさや女らしさのステレオタイプがあり、私たちがどのように振る舞い、着こなし、話すべきかを決めつけてきます。そんなものは誰の役にも立たないのに。「規範」に背く誰かはジロジロと見られ、あれこれと言われる対象になるのです。LGBTコミュニティの皆さんは、このことを誰よりもよく知っていますよね。

だけど、私たちのまわりには勇気ある人たちもいます。フットボール界のヒーローであるMichael Sam、女優のLaverne Cox、ミュージシャンのTeganとSara Quin姉妹、そしてカミングアウトしている娘や息子をサポートする家族たちです。また、いまここにも勇気ある人たちがいます。皆さんです。

皆さん一人ひとりが同じ理由でここにいることに、私は勇気づけられています。「人々がお互いを今より少しだけ尊重できるようになれば、世界はずっと良いものになるだろう」という、シンプルで強い信念をもって皆さんはここにいます。

違いを見つけて攻撃しあうかわりに、私たちがほんの5分でもお互いの美しさに目をむけさえすれば、それはそんなに難しいことではありません。今よりもずっと簡単で良い生き方です。最終的には、この積み重ねが人の命をも救うでしょう。

いえ、もしかしたら簡単ではないかもしれません。むしろ、最も難しいことかもしれません。他者を愛するには、まず自分自身を愛し受け入れることが必要だからです。私は多くの人達がそのために日々もがいていることを知っています。あなた達が想像する以上に、私は皆さんの強さや支援活動に勇気づけられています。

いま私がここにいるのは、私がゲイだからです。
なぜなら…
(鳴り止まない歓声)
なぜなら、私にも何か出来ることがあるかもしれない、他の誰かに、もしかしたら、すこしでも希望を与えることが出来るかもしれないと思ったからです。それが出来なくても、個人的に、社会的に、私にはそうする責任があると感じています。

ただただ自分自身のためでもあります。私はゲイであることを隠したり、嘘をついたりするのに疲れてしまいました。私は事実が明るみになる恐怖に何年も苛まれ、それは私の魂をすり減らし、精神的健康をすり減らし、パートナーとの関係をすり減らしていました。しかし、いま私はようやく、みなさんとともにあることで、その痛みの向こう側にいます。私はまだ若く未熟かもしれません。しかしこう学んだのです。愛とは、その美しさ、喜び、そう、痛みでさえ―人間として、誰かに与え、与えられる最高の贈り物なのではないか。そして私たちには平等に、恥じることなく、妥協することなく、思い切り人と愛し合う権利があるべきです。

多くの子供たちが、ただ自分に正直に生きているだけで、いじめにあい、拒絶され、虐げられています。あまりにも多くのそんな子供たちが、学校からドロップアウトし、虐待され、ホームレスになり、自殺しています。私達はそれを変えることが出来るはずで、皆さんは実際にそれを変えようとしています。

皆さんにとっては私に言われるまでもないですよね。やっぱり私がここでスピーチするって変かも。ただこの5分間のスピーチのおかげで、やっと私自身について告白する覚悟ができました。これだけは言わせてください。みなさん、ありがとう。私を励ましてくれてありがとう。私に希望を与えてくれてありがとう。このまま私のような人のために世界を変えていってください。

ハッピー・ヴァレンタイン アイ・ラヴ・ユー
翻訳おわり------------


何度聞いても、翻訳しながらも泣いてしまいます…。Harvey MilkのHopeスピーチも思いだします。また、エレン・ペイジでさえ、こんなに震えながら告白しなければならない、そんな社会の、自分もその一員であることに責任を感じました。