6月の総括
6月に聞いた高座数:86席(初高座から通算357席)
6月に行った落語会・寄席:21本(初寄席から通算70本)
<いっぱい聞いた人>
立川志ら乃 9席*1
柳家初花 8席
立川こしら 5席
立川志らく 4席
立川談修 3席
立川らく次 3席
<今月の超素敵高座>
立川志らく 『庖丁』(一等賞!)
林家たい平 『紙屑屋』
立川志ら乃 『火焔太鼓』(6/28不動院寄席・気合い全開バージョン)
三遊亭歌之介 『お父さんのハンディ』
立川志ら乃 『木乃伊取り』
古今亭錦之輔 『チョココロネ政談』
立川こしら 『鰍沢』
立川志ら乃 『火焔太鼓』(6/3朝日カルチャーセンター)
柳家喬太郎 『松竹梅』
立川談春 『三軒長屋』
立川談志 『ずっこけ』
<今月の素敵高座>
入船亭扇辰 『夢の酒』
立川志らく 『たまや』
立川こしら 『片棒』
柳亭市馬 『文七元結』
立川志ら乃 『反対俥』
三遊亭白鳥 『トキそば』
立川志らく 『死神』
柳家花緑 『壺算』
柳家さん喬 『そば清』
立川志ら乃 『崇徳院』
柳家初花 『悋気の独楽』(6/17昭月落語会)
立川こしら 『寿限無』
立川こしら 『時ザク』
五明楼玉の輔 『辰巳の辻占』
立川こしら 『王子の狐狸』
入船亭扇遊 『妾馬』
立川志ら乃 『狸の札』
<素敵リストには一歩及ばずども心に残った高座>
三遊亭歌武藏 『胴斬り』
柳家喜多八 『かんしゃく』(怒りっぷりが怖すぎて好きじゃないんだけど、印象深いっちゃあ印象深い)
古今亭菊之丞 『酢豆腐』
立川志の吉 『長短』
林家彦丸 『天狗裁き』
入船亭遊一 『厩火事』
柳家初花 『悋気の独楽』(6/10野方珈琲寄席)
柳家初花 『寿限無』(6/5池袋6月上席)
桂かい枝 『胴乱の幸助』
立川らく次 『禁酒番屋』
立川らく次 『転宅』
立川らく次 『湯屋番』
立川らくB 『近日息子』(6/23下丸子)
立川志らべ 『堀の内』
<前途たのしみ枠>
柳家生ねん 『道灌』
柳家小きち 『初天神』
立川松幸 『桃太郎』
評価の目安:
- <今月の超素敵高座>は5点満点でいうと4.5〜5。
- <今月の素敵高座>は5点満点でいうと4〜4.4。
- <素敵リストには一歩及ばずども心に残った高座>は文字通り、3〜4の範囲の中で特に印象深かったもの。
- 満点の5は「一生で一度でいいからこれが聞けて良かった」、というようなものを想定しているのでまだ出てません。4.9〜4.5が「好きな人の好きなネタ」、3.5〜4.4が「好きな人の普通なネタ」及び「普通な人の好きなネタ」、3が「まあまあ楽しい」、2が「聞ける」、1が「たすけて・・」といった感じです。
<今月の演目>
青菜 あくび指南 家見舞 馬のす 厩火事 王子の狐狸 大山詣り お菊の皿 お父さんのハンディ 火焔太鼓×2 鰍沢 片棒 紙屑屋 かんしゃく 近日息子×3 禁酒番屋 金明竹 強情灸 仔猫 子ほめ 雑俳 真田小僧 三軒長屋 死神×2 寿限無×3 松竹梅 新聞記事×2 ずっこけ 酢豆腐 崇徳院 粗忽の釘 そば清 大工調べ×3 大師の杵 たがや 辰巳の辻占 狸の札×2 たまや 短命 長短 チョココロネ政談 付き馬 壺算×2 天狗裁き 転失気 転宅 道灌 胴斬り 唐茄子屋政談 胴乱の幸助 時うどん 時ザク トキそば 夏どろ ねずみ のっぺらぼう 初天神×2 反対俥 干物箱 ひょっとこそば 文七元結 庖丁 堀の内 豆や 木乃伊取り 妾馬 桃太郎 夢の酒×2 湯屋番 悋気の独楽×3
<総括>
・6月は抑えてるつもりだったのに、全然そんな事はなかった。月初めは抑えていたけど、その分月末に偏ってたな。
・今月の素敵高座リストは荒れたね。同意は求めません。ただ、言える事は、上手いと思って聞く上手い人よりも、「どえええーーーっっ!」って驚かしてもらう方が好きなのです。技術点よりも芸術点、更に何より<びっくり点>です。そして、その人の基本的な芸風や口調が好きな人や、思い入れのある根多や会だと、客観的評価に関係なく、「やっぱり好きなもんは好き」だと思います。そういう素直な自分の気持ちに従っての評価です。生モノだもの。
・あと確実に前座・二ツ目には甘いです。すぐ勝手に親心がめばえます。前座ちゃんはたとえ絶句してもかわいくって仕方ないよ。今月一番のけぞったで賞は柳亭市朗さん『転失気』で、「屁っていうと鼻から出る奴かい?」というある意味センス溢れる言い間違いに場内大爆笑、「・・すみません、鼻からは出ません」と素で謝っちゃいました。トチった所が一番受けてたというありがちで平和な一幕。
<今月の志らく一門レポート>
・志らく師匠は芝居があったので落語の出番じたい少なめ。
・祝?皆勤賞実現。聞いても聞いても志ら乃さんの噺は楽しい。言葉選びのセンスといい、口調といい、どっぷり中毒になってしまい飽きません。還付金・・*2いや、感服つかまつりました。ネタおろしの『唐茄子屋政談』以外全てホームラン。志ら乃さんで聞いた事の無いネタ出しは全て勝手に挑戦状と受け取って万難を廃しがっつきます。
これは志らく師匠もそうなのですが、先に志ら乃さんで聞いてしまった根多を他の人で聞くと、志らくまたは志ら乃のインパクトが強すぎて他の人では物足りなくなるという<症状>がしばしば・・。
・こしらさんの改作の才能にも心から最敬礼!発想の斬新さだけでいえば師匠譲りどころかそれ以上かも知れません。特に独演会の盛り上がりは凄かったです。こんな落語やってる人ほかにいません。『寿限無』なんていう当たり前のネタでも、こしらさんの手にかかれば目からウロコの展開。『鰍沢』も『片棒』も『王子の狐狸』も『時ザク』も、全部、ぜーんぶ唯一無二。こしらさんの<びっくり点>に並べるのは今の所白鳥さん、錦之輔さんくらいしか思いつきません。
・らく次さんの高座に対する評価は、あんまり気持ちに素直になりすぎると、<素敵高座>枠にガンガン入れたくなるのを抑えてます・・!声質とか、口調とか、成長過程とか、まるっとひっくるめて大好きになってしまった上、前座という立場上、ほとんど狙って聞けないというレアさも手伝って*3、めくりやプログラムを見て「ああ、聞ける」というだけで相当幸せになってしまいます。だけど<素敵高座>と肩を並べるのは余りにヨイショなので上記のような評価です。
特に『禁酒番屋』、らく次さんの近藤氏はかっこいいです。前座さんな上、今まで10席も聞いてるのに、意外と一席もネタがかぶっていないのですが、もっと色んな噺が聞きたくて脳内妄想口演が止まりません(電波、電波だよ!)。シリアスな噺も聞きたいなあ。7月の不動院では『お菊の皿』とか『のっぺらぼう』とか笑い噺じゃなくて、本気で怖い噺をしてくれるのだろうか・・。
そうそう、
<これから聞きたい噺>
本気で怖い噺が聞いてみたいです。大銀座落語祭も、怪談特集の時事通信ホールは楽日の『おもしろ怪談噺』しかとってないので、マジメなのは他で聞くしかない。不動院と平成噺し座も『おもしろ怪談噺』方面な気がするからなあ。どこかでお勧めの根多出しがあったら教えて下さい。
正雀さんかしら、やっぱり。