今日も生きてる

池袋演芸場5月下席昼の部

ーお番組ー
入船亭遊一 『たらちね』
入船亭扇治 『長短』
柳家一九 『都々逸親子』
マギー隆司 マジック
柳家はん治 『ぼやき酒屋』
柳家喜多八 『千早ふる』
<お仲入り>
入船亭扇好 『権助魚』
春風亭正朝 『六尺棒
笑組 漫才
入船亭扇辰 『たちきり』


あたしが好きなのは立川流だけじゃないですから!って事を入船亭さんたち聞きに行くと思い出します(今月立川流指数高すぎなんだもん!)。中でも扇辰師匠はこの前鈴本でトリとった時に聞いた『野ざらし』以来、入船亭の中でもとくに大好きな噺家さんです。芸はもちろんの事、かっこいい兄ィって雰囲気ひっくるめて好き。私の中で様子のいい粋な噺家といえば扇辰さんと小三治さんがツートップです。


今日の扇辰師匠、私にとっては初めての『たちきり』でした。これがやっばい良かった。落語は本当に奥が深いなぁあああーー!と思わず感嘆してしまう飛び切りいい噺ですね。もうサゲとか芸術的にかっこよすぎて死ぬね。哀しい噺だけど、なんて美しい終幕でしょうか。泣いたよ泣いた・・*1!もう三味線鳴るシーンでぞわぞわぞわぞわ鳥肌立ちました。お、お、お、お久ー!!!


扇辰さんのトリはやっぱり行かないと!そう決意を新たにした池袋西口十七時。声を大にして叫びたい、扇辰師匠好きだァーーと改めて告白!契約!ご新規で!
寄席にはアンケートがないし、時間もあったので、「ものすごい良かったです」と一言いうために軽く出待ち、それだけ伝えると「辛気くさい噺ですいませんねえ。客席静まりかえっちゃった。」と返して去って行く扇辰師匠。いや、それは皆聞き入ってたんだよ!とんでもない謙遜ですよ!


うっかりするとまた思い出し泣きしそうで、なかなか気持ちが現実に戻って来ないまま、家路に着こうと池袋駅構内に入るも、案の定駅の中で迷った。出た、堀の内病。


あとねえ扇好さんの『権助魚』、これも良かった。先月も扇好さんで聞いたけど、なんか先月聞いた時より今日の方がメリハリがよりはっきりあって良かった。『権助魚』『悋気の独楽』とかのマクラでよくふられる、「お妾さんに白髪を抜かれて、お上さんに黒髪を抜かれて」っていう小咄はもう耳タコのはずなのに、扇好さんがやるといまだにすごく笑える。この人の女の人、特にお上さんの芝居はいいです。


ほんと毎日落語に恋わずらいで忙しいなぁ、仕合わせなわたし。

*1:今日メイク手薄でよかった、笑