今日も生きてる

第73回不動院寄席「新作リレー落語」

平成18年5月28日 於:六本木・不動院

ーお番組ー
立川志ら乃 『幇間餅』
立川らく次 『幇間腹
立川こしら 『幇間幽霊』(新作なので仮名)
<お仲入り>
立川志ら乃 『寝床』
こしら・志ら乃・らく次 トーク〜大近況大会〜


・今日も不動院は熱かった。楽しすぎる・・!志ら乃さんの高座を近くで聞くのは久しぶりだし、二つの新作もびっくりするくらいきちんと出来上がってたし、この新作リレー企画、想像以上によかった。違う会でまたやってもいいと思う。


この新作リレーとは、古典の『幇間腹』を間に挟んで、その話以前と以後の話を創作でつなげてみるというもの。三人はほとんど打ち合わせなしだったらしいが、志ら乃さんが「一八が幇間持ちになるまで」を描き、らく次さんの演じた若旦那が黒くて黒くて『幇間腹』にしてはとてもシニカルな雰囲気を作り、こしらさんがさらに衝撃的に黒い展開で噺を持って行き、アドリブで先の志ら乃さんの設定やセリフのリフレインもちゃんと入れてしまうという出来の良さ。
ただ個人的には、一八さんの奥さんの行く末が気になった(笑)一八さんが結婚してるのは志ら乃さんの作った設定なので、入ってなくてもしょうがないんだけどね。


・また不動院で新作といえば悪名が高く(前回の新作の会に行った人からも随分おいしくない話を聞きました・・)、本人達も「恒例の苦行・新作の会」とか言ってるくらい。だので今日の新作にもあまり期待してなかったのだが、これが志ら乃さん・こしらさん共に、クオリティでは古典の間につるっとやっても全然分かんないんじゃない、ていう位すっごく落語として構成がしっかりしてた。


だいたい新作落語といえば、途中はくすぐりで笑いをとれたとしても、何が難しいってサゲが難しい。それが巧い具合にスポーンと気持ちよくキレイなサゲがついていて感嘆した。普段の新作はやっぱり現代を舞台にしてるから難しかったのかしら。舞台が江戸だったらこんなにイケルのかと、本当にびっくりの出来。


・私自身に今、異様ならく次ブームが訪れているので、褒めても説得力がないかもしれないけど、ここ二、三ヶ月でらく次さんは絶対伸びていると思う。堅さがどんどん取れている。単にたまたま得意ネタに当たってるのかも知れないんだけど。


ということで今日の『幇間腹』の出来も「おおむね」上々、というのも、そこまでは申し分なかったんだけど、最後サゲがなにやらトチってた。「皮が破れてなりませんでした」が「紙が破れて****(←聞き取れない音、たぶん志らく師匠流に「いよーん」を入れようとして噛んだのか?)なりませんでした」って聞こえ、私の頭の中に「え、幇間腹ってこんなオチだったけ・・???紙??どういう意味???」とハテナマークがポポポポポカーンと・・・。あと気のせいかも知れないけど、なんか声の調子がいまいちヘンだった気がする。


・こしらさんの噺が終わり、「お仲入りーーー」の声がかかると、「え?仲入りなのちょっと待って、トークさせてよ」と止めて6/25広小路亭での独演会を宣伝。あと今月のかわら版にこしらさんが何かとフィーチャーされてる話をする。5/2に出演した『平成噺し座』について褒められているのに、途中一回「こらく」と誤記されていて、褒められてるんだかなんだか・・など。


・そして大近況トークはまたも大炎上。先に一人でらく次さんがかわら版を持って出て来てこしらさんが載ってるページを解説し、その後こしらさんと志ら乃さんが出てくる。それぞれ別の方向に突っ走る脅威的なハイテンションボケ×2の間に挟まれてらく次さんのツッコミが冴える冴える!らく次×志ら乃も面白いけど、+こしらの不動院メンバーはやっぱり素晴らしいなあと思った。「外れ」もあるからあんまり来易い会じゃないけど、少なくとも「当たり」の不動院にまだ来てないこの三人のファンは絶対惜しい事してるよ。熱すぎる!


・帰りに和尚さんに例のモノについて訪ねると、あっさりピラっと頂けました!こんなにピラピラだとは・・不安なので携帯用・予備・保存用にもう二枚欲しい!(←とりあえず三つ手に入れるのがオタクの基本原則だから・・)


・結局悩みすぎて夢に出てきた末に、7月21日の談志一門会を蹴って前座ライブをとる事を決めたわたくし。らく次さんに「あのノルマあるって聞いたんですけど・・」と訪ねた所、「え、ノルマという程のものではないので、気を遣わなくても大丈夫ですよ。普段一門会に来て下さってる方には出来るだけ安く来て頂きたいし、港区で買ったほうがいいかもしれないです*1」、だそうです*2。ええ!志らべさんが言ってた事は、チケット売ろうとしてついた嘘?!大げさ?まぎらわしい!??


一緒に帰った友達からよってたかって「談志もまさか前座に負けるとは思わないよね(笑)」「談志ファンから始まって志らく経由でらく次に転ぶってすごいね」「転び過ぎだろ」「膝も擦りむいてるよ」とつっこまれました。うん、本当におかしいよね(清々しい顔で自認)。


・7月21日の件が自分の中で踏ん切りついて、「やっと解放されたぜ・・」と思ってたら私を更に悩ます情報が明らかに。


6月16日、喬太郎・白鳥二人会+ゲストに出てくる人達は知り合い、なので、これもまだ「お金は払ってない」(=キャンセルできる)けど、予約してたの!でもさ、6月16日、東西噺家倶楽部に志ら乃さんが出るって今日知ったの!しかもそこへ来て、志ら乃さん本人から「『木乃伊取り』やりますよー」っていうピンポイント爆撃が!!母さん、また負けそう・・。志ら乃さんの『木乃伊取り』聞きたいー!


しかも今日志ら乃さんの高座を近距離で久しぶりに見て、やっぱいいのよ、この人。先月、今月と志らく師匠にいっぱいいっぱいで息切れして、志ら乃追っかけサボったことをマジで後悔した。しかも市川土曜ひる席は読み物もあったらしくて、志ら乃さんの文筆は面白いから、市川にもがんばって行けばよかったなーと思った。


・あと、たぶん今度の戸越寄席は7月16日になりそうらしくて。志らく一門会は絶対行くから夜は空けてあるんだけど、戸越寄席の予定は知らなかったから大銀座落語祭のチケット買っちゃったよ!大銀座落語祭と戸越寄席を比べて戸越が勝ちそうってのも判断基準が常軌を逸してるけどね・・。


はあ、まだまだ志らく一門にうなされる日々は続くよ・・・・勝手に過剰な愛と妄想でうなされてるんだけどね。特にらく次愛に関しては志らく好き仲間達からも冷たい視線でドン引きされる昨今・・・
「らく次さんが真打になる頃とかには『お母さん』気分を越えて『学校の先生』みたいな気持ちになってるかもね」といわれ、「そこまでいったら燃え尽きて『おばあちゃん』の気持ちになってるよ・・!」と答えた。噛みつこうたって土手ばかりで*3・・いや、現実には私が年下だけどね。
でも、真打ってあと何年越しだよ・・はあー・・途方もないなあー・・・。おばあさんになっても葵寿司の大将みたいに粋な落語ファンになれればいいなあ。落語聞きにきてる夫婦にあこがれるぜ。

*1:kissポートから買えば前回は700円だった、ということで、今回は違うかもしれないらしいのだけど

*2:この部分、さっきある方から訂正を頂きまして書き換えました

*3:厩火事』のおさきさん