今日も生きてる

新宿末廣亭5月中席夜の部

平成18年5月17日

〜お番組〜(途中から)
入船亭扇辰 『子ほめ』
柳家小ゑん 『実在OL』
大瀬ゆめじ・うたじ 漫才
三遊亭歌司 漫談<麦茶で朝まで>
古今亭志ん駒 漫談<遠山の金さんの舞台>
昭和のいる・こいる 漫才
桂南喬 『たらちね』
柳家三語楼 『かぼちゃ屋
<お仲入り>
入船亭扇好 『のっぺらぼう』
翁家和楽社中 太神楽
金原亭世之介 『宮戸川
古今亭志ん五 『浮世床
林家正楽 紙切り
入船亭扇遊 『佃祭』


5月6日の末廣からたかだか10日余りしか経ってないのに、寄席に来るのはなんだかとても久しぶりな気がする。そして寄席時間をキビシク感じる。始まる時間が早い、そして長い。前座さん→遊一さん→紫文さんと聞き逃し、紫文さんが「紙が無い〜」「なんまいだ〜」と終わる所で入場。


すき・すき・太神楽なのだけど、和楽社中を最前列で見るのは初めて(仙三郎社中は一回ある)。これがねえ、失敗しないと分かってても超怖かった。もう何度も見てるのに、最前列だと今にも飛んで来そうな臨場感が全然違って、決定的瞬間の度にううっ!と肩を震わせてしまった。絶対大丈夫と分かっても避けちゃう3Dアトラクションみたいなもんだね。


元々お目当ての入船さん達以外でヒットだったのは初めての世之介師匠。まず声量があってとてもイイ調子で、「おっ、この人は」と思う。そしてマクラの小咄からして面白い。浮気現場と冷蔵庫、冷蔵庫の中には・・このオチが秀逸なんすよ。こういうちょっと黒い話は好きです。で、いいな、どんな噺やってくれるのかな、と期待が膨らんだ所に、来たね『宮戸川』だ!わー好きな噺です、やった、と思って楽しく聞いてたんだけど、残念ながら途中まで。くーー、お花・半七のなれそめまで聞きたかったよ・・。


扇辰さんも、扇好さんも、顔見て噺聞くだけでいい気持ちになれるのは相変わらず。兄さんたち素敵だわー。扇辰さんのやった『子ほめ』は先月・今月と聞き過ぎの難あり。しかし扇好さんの『のっぺらぼう』も、あれだけ聞かせられるのはすごいな。他の人で聞いて内容を知ってて、かつ噺の中でも同じような事を繰り返す噺なのに普通に楽しめた。


そして主任の扇遊師匠。これはザ・熱演!のいい一席でした。絶妙な間に漂う緊張感で噺にぐいぐい引き込まれて最後まで。また、わりとシリアスなシーンが多い中、与太郎とのり屋のばあさんのボケボケ落差がいい味出してた。終演後、初めての噺をイイ人で聞く幸せにひたって胸にあふるる満足感。落語ファン冥利だわ・・。


最前列という席の魔力か、何かが乗り移ったように、まったくの勢いで正楽さんの「まずは試しにおひとつ」の『相合傘』貰っちゃった。あとで、しまった・・お祝儀・・?と思ったけど、試し切りはいいんだって。帰り道は雨降りの中、しまえる袋もなかったので胸に抱えて守りながら本屋へかけこみ、適当に欲しかった本を買って、紙切りが入る大きめの袋ゲット。後日ちゃんと額買って入れたい。