今日も生きてる

下丸子らくご倶楽部

平成18年4月28日 於:大田区民プラザ小ホール


ーお番組ー

18:30〜「堂々若手バトル!」
柳家緑太 『狸の鯉』
立川らく八 『道灌』
柳家初花 『落語予告編』(四季の落語:春・長屋の花見、夏・船徳、秋・目黒のさんま、冬・芝浜)

勝者:柳家初花

19:05〜本編
志らく花緑 トーク
柳家花緑 『花見小僧』
<お仲入り>
ロケット団 漫才
立川志らく 『愛宕山

・「若手バトルのアンケート」(仲入りで回収)、「トークの時読まれる志らく花緑への質問」(開演前に回収)、「下丸子通信へのアンケート」など、書くものがいっぱいあって忙しなかったので、あまり自分のメモはとれず、しかも日がたってしまったので、余計に記憶があやふや。


・そしてまたいずみさんが!この人の感想を読むと本当に、これ以上どう書けば?という気がしてしまい中々筆が進まない。「どこそこがこうだった」というのが全部オウム返しの文になってしまう。いや、せめてないよ、褒めてるんだよ。これからも感想期待してるけどさ。
もう知り合いなので、「身内同士でヨイショかよ」と思われるかもしれないが、そもそもこの人の記事を読んで、志らく一門びいきになり、結果的に知り合いになってしまったのだからしょうがない。


・本編開演前のおまけ、前回までは前座さんのみで各三席やってお客さんの投票で勝敗を決める「前座バトル」だったが、今回からは二ツ目さんも参加で「堂々若手バトル!」に。

緑太さん:十分楽しく聞けて、前座さんとして将来有望なものを感じ好印象だった、しかし、数十分後の初花ショックが私を襲う・・!

らく八さん:今までわりと、「聞いてられない道灌」ばかりに当たっていたけど、今回は結構たのしく聞けた。らく八さんにはちょっと「暗い・カタい」という印象があったのだけど、今回で払拭された。

初花さん:前座さんたちはけしてつまらなくなかったのに、こりゃあ分が悪すぎる、という程ダンチで面白かった。詳しい感想は別記します。


花緑師匠:いちいちおかしい。「うるっせー」ってツッコまれる役所が本当にうるさくていい。花緑さんの持ち味「うるさい人」が、出て来ない噺もあえて一度聞いてみたい。やっぱりそれでもにぎやかな噺になるのだろうか。


ロケット団ロケット団がゲストと聞いて、正直「また同じネタだったらちょっとツライな」と思っていた。というのは、この人達だって十分面白い芸人さんなのだけど、寄席に月何本も行く私みたいな客には、漫才はどうしても分が悪い。しかし今回は聞いた事のないネタも多くて楽しめた。「欽ちゃん」→「北の方の金ちゃん」などききまつがいボケを畳み掛ける当たりが特によかった。


志らく師匠:今日も今日とて、「やっぱり志らく師匠は凄い!」と圧倒された。面白かった、楽しかった、と思うことはよくある。しかしそれを越えて「圧倒された」という感想を持てる師匠はそうそういない。しかも演目は「愛宕山」、またこれも、他の人のを聞く時にどうしても比べてしまうであろう強烈なインパクト。細かい所では、途中、一八が数を数える時に「六つ、七つ、八つ、今何時だ?九つで!って噺が違っちまうな」ていうとこ、好き。


・いずみさんが書いてないものを、何か!・・いや、別に誰かが私の感想に期待とか、してるわけじゃないと思うけどさ、一応ね、どうせ書くなら違うものをと思うじゃないですか。そこで今回、小生、柳家初花さんの感想をがんばる事にしました。
二ツ目さんでは、立川志ら乃『天災』以来に熱くなったよ、この一席!


・『落語予告編』とはどういう噺だったかと申しますと、「映画には予告編というものがありますよね。これを落語でやってみたらどうでしょう」というマクラから始まり、文字通り、有名な落語のシーンを再現+映画の予告編のような煽りナレーション入りで紹介していく、という一席です。まず「そう来るか!」っていう驚きでツカミを持ってかれ、もうその後は会場中笑い倒しでした。


・『落語予告編』にはその場の面白さだけじゃなくて、これからの可能性にとても感心したよ。今回は四季の落語というテーマで、春『長屋の花見』、夏『船徳』、秋『目黒のさんま』、冬『芝浜』をやっていたけども、何かテーマのある落語会だったら「四季つながり」だけじゃなく、そのテーマに沿った噺を幾つか紹介したり、寄席の開口一番後の二ツ目ポジションの時も、その時々の風物や、後に出てくる師匠方の得意ネタ・芸風などにひっかけてくすぐりを入れたり、いくらでも応用が出来る。


・マイクに近づき、真顔でアオリ文句を喋り出すところも、「ふつうの落語」を待ち構えてた観客の虚をつく演出で、とても面白かった。「この冬、日本中の落語ファンが泣く!不滅の名作三題噺・『芝浜』!」とかいうの。


あのナレーション、FMラジオDJ風とか、真面目な司会風とか、色々バリエーションをつけても良いかも知れない。でも逆に歌之介さんの『爆笑龍馬伝』(『幕末龍馬伝』と表記されることもある)の「坂本龍馬は・・」みたいに、話から話へ変わる度に一本調子の決めセリフがあって、繰り返されるとクセになる可笑しさ、そういうのもあるけれど。


志らく師匠には、「面白かったけど、肝心の落語部分の芝居がヘタ」と言われ、花緑師匠も「というか、あれ、自分ではやった事のない噺だろうしね」と言われていて、それはごもっともなのですが、今後そういう部分も磨かれていったら、どんなにか楽しい噺になるんだろう、っていう期待だけでも私は十分、「初花さん、いいじゃないっすか!」とスイッチ入りましたよ。


・現にいま、5月21日の昼、志ら乃・らく太の戸越寄席をとるか、栄助・初花・金翔・鬼〆の黒門亭昼席をとるか、モヤモヤしとる(同じ面子でやる20日の黒門亭談春志らく二人会とかぶるので無理)。

純粋にどっちが見たいかで言えば志ら乃さんですが、志ら乃さんは16日、26日、28日と見る予定があって、今月の初花さんを見れそうな日はそこだけです。初花さんはネタ出しで『大山参り』、古典の実力の程はどうなのかな・・。

場所的には夜に広小路亭で志らく一門会なので、上野の黒門亭は丁度よいのだが・・志ら乃さんが・・いまのところ毎回「これは見逃さなくてよかった」という大爆発を見せてくれている。戸越寄席は小規模なので、早めに予約しないと駄目らしいから、悩んでる今、もう満席かもしんない。または、悩んでる間に満席になるかも。初花さんの古典、見た事ある人は、こっそりおせーて欲しい、なんてイヤラシイこと書いたらマナー違反かしら・・。あー心引き裂かれる!


追記:下丸子の裏でやってた不動院寄席ですが、「志ら乃さんの木乃伊取りネタ下ろし、良かったよー」「戸越寄席で木乃伊取りやってくれないかな」、ああこんな声も聞いてしまうと21日はやっぱ志ら乃さんで・・?やっぱ立川流に操を捧げる?