今日も生きてる

末廣亭余一会・第15回三派連合落語サミットその1


並ぶ気で行ったけど、万年遅刻選手の私が着いたときはもう開演時間12時。すごい列が出来て入場待ちだったので前座さんは見逃し昇輔さんの途中から入る。昼の部は二階桟敷二列目。夜の部は上手桟敷三列目。入れなかった人もいたらしい。


で、他の人の感想書く前に、少しでも記憶が薄れる前に、書いておきたいのは立川談志 ですよ!奥さん!!
まったくのドッキリ!予告無し!奇跡の一夜に居合わせた!


上手桟敷三列目で、札が上手奥だったから、ちょうど袖で見えなくてさ。
桃太郎さんのあと会場中でいきなり「ええええーーーーー!」とか「おおーーー!」というどよめきが起こり、何事かと手すりから頭乗り出して札を見ると、
だだだだだだだだ談志ッ!!!!!???
思わずそのまま人と人の隙間に前のめり、今日階段で転んだひざの痛みも忘れて正座になった!(駅の階段で膝から下ガガンッってぶつけたんだよね)
(常に遅刻してるから走ってしょっちゅう転ぶ)


独演会とか一門会以外で、しかも寄席で!この近さで!まさかまさか見られるなんてっ!!私これ学生2200円とかで入ってるのに!!


突然決まったことなのか何なのか、師匠はまったくの普段着でスタスタ登場。ひとまず座布団に座り、客が大騒ぎになっているのに対して「ここまで驚かれてこっちが驚いた」というような、おっかなびっくり顔で静かになるのを一旦待つ。瞳がつぶらだよ!ときめく私。
喋り出す。
刹那に支配される空気。ヤバイ。息つまる。本物だ。うっはーーーー。


「(咳払いして)あっ、あっ、もう声も出ねえんだよな、もって一年だわ(出た!このセリフ)。あー好きな噺をいろいろ・・」
といって、本当に落語やるのかと思ったら、いろんな噺のハイライトを早口で連想ゲームみたいに繋げてちょっとずつ5分間くらい喋り「ま、こんなんだったらいつまででもやれますよ」と言って去る。


客、呆気にとられながらも拍手の嵐。完全に圧倒される。


しかもその後、志ん駒さんの高座中に突然うしろの襖を開けて家元が顔を出し、ヒトが真面目に喋ってる影でにやにやするという、暴挙と書いて<サービス>を!!
場内爆笑し、後ろに気付いた志ん駒さん、「おいおい、どうりでこんなに受けるのおかしいと思ったよ!」
しっかしヒトの喋ってる間に、しかも志ん駒師匠クラスにそんなことやって冗談で済むのも談志師匠ならでは・・!!


色んな記事で談志エピソード読んでる中でも思ってたけど、本当かわいい人だよね。周りは大変だろうけど(笑)またそれでいい顔するのだわ。超チャーミング。キュンキュンするわー。むしろえらいおっさんがこういう事やるっていうギャップにクラックラするわー!



もうその後は正楽師匠の紙切りでもリクエストに「立川談志!」と会場中で声があがるし、三派サミットfeaturing T. DANSHI状態。
大喜利でもお題「立川談志」でしりとりし、高田さん「師匠まだ居るみたいだ。ビール飲んでら」、答えるメンバーは総ビビリ入り「し、CDが欲しい」「いい人」「当代一の名人芸」とかヨイショばかりに。何か言う度に「あ、師匠も笑ってる」と袖をいちいち確認する始末。


最後には楽屋にいる皆さんもせっかくだから出て来てくださーい、ということで、大喜利メンバー、昇太さん、左談次さん、桃太郎さんなど会場に残っていた今までの出演者、高田さん、そして家元という、ありえない面子で記念撮影、お辞儀、幕引き、という本当に本当に奇跡の『お祭り』でした。
昇太さんなんか普通のファンのように客席から写真を撮りまくり、ウォーーーーーーイその写真欲しすぎですから!!!うらやましいぞ職権乱用!と思った。


末廣亭、関係者各位、そして談志師匠、奇跡の一夜をありがとう!
落語の神様はまじでいるんじゃないですかマジで!
I・E・MO・TO!! I・E・MO・TO!!


でもね、でもね、ショックだったことが一つあります。
家元、げっそり痩せててさー。
特に洋服でジーンズ履いてたからまた細さが目立っておりまして。
本人サイトの日記によると、風邪をこじらせて最近特に痩せてしまったらしいのです。
「あともって○年」というのはもう何年も前から仰っているけど、こと今日はそんなお姿で居らっしゃったから、いっそうと切なく、儚く、心細く聞こえてしまって、それがどうにも気がかりでした。


今夜の驚き、嬉しさ、興奮、希有な巡り合わせへの感謝、そしてお体のことを思うとアカの他人としても心配になる。人をこんな気持ちにさせられる方はなかなかいないので、まだまだ元気でいて下さることをお祈り申し上げます。



追記1:
http://shoeshineboy.blog.ocn.ne.jp/otsuru3/2006/03/post_00db.html
ここにもっと詳しい今日の談志師匠レポートが。


追記2:
末廣亭余一会・第15回三派連合落語サミットその2
http://d.hatena.ne.jp/stilllife/20060402/1143986116