今日も生きてる

私の愛した漫画暫定64選・第一弾〜公開SM・あの娘ぼくが読ませたい漫画無理矢理送りつけたらどんな顔するだろう!


そもそもの状況を説明すると、
アメリカに移住する、という決意をする時、受験生を横目にバイトしては芝居に使い、バイトしては漫画に使い、英語の勉強なんてちーともせずにウハウハ楽しく趣味に生きていた自分にしかるべきオトシマエをつけようとおもいました。

折しも長年住んだ実家がなくなるという事情もあり、あげにあげ、捨てに捨て、売りに売った漫画、本、ゲーム、音楽雑誌、映画雑誌、服、雑貨(SWIMMERとか宇宙百貨とかそのテの)、チラシ(と無料誌とかのナイスデザインなものを集めてた)、物販グッズ(ライブとか舞台の物販大好きだったし、CD・本屋でよく取り寄せしてたので店の人に色々貰えた)、ポスター等など、大きいダンボールにして5、6箱くらい。

それ以前にも、部屋のジャンプ占有率に困り、まるごと数年分あったものから、「マサル」が始まって「幕張」が終わるまで(スラムダンク最終回掲載号含む)と一部思い入れのある号以外全部捨てる、という整理をしました。

そしてキープに選んだ漫画が64作品(冊数的には177冊、2001年手持ち漫画内での選抜)+「COMIC CUE」7冊&スピリッツ増刊「イッキ」4冊でした。

で、全巻揃ってないとか、市場にいっぱいあるから後で確実に買い戻せるものとかをお金に困って売ってしまったりした後、残りを、その漫画を心から楽しんで読んでくれて、責任を持って預かってくれそうな友だち8人くらいに選んで形見分けして、漫画を1冊と持たずにアメリカへ発ちました。

自分にとって漫画は最も依存していた生活であり、これから1年だか、2年だかしばらく、自分が納得いくレベルの「戦果」をアメリカで成し遂げるまでは、しばらく距離をおいてみようと思ったのです。すっとばした受験苦労の、せめてもの代わりに。

ジャンプに関しては、これを預かってくれる人間はまずいないだろうし、まあ家にあっても再読するわけではないので(勉強に差しさわらないという意味で)、アメリカに輸出しております。

それから1年夢中で戦い、とりあえず英語もカタチになったし、自分の中でお許しが出たので、少しずつ回収してたんですけど、いかんせん数が多いのでまだほとんど友だちに預けっぱなしでした。

ここである友人の紹介です。マイミクですが、会社バレを気にしているので仮にマチコとしましょう。

マチコはモロ今どきの元オリーブ少女にして純文芸少女、長年の希望通りに某大手出版社の編集部に就職を決めたものの、あの出版社といえば漫画で超有名なところであり、私から「女性誌志望とはいえ、あそこ就職しといて漫画読んでないなんて有り得ねえ!勉強しろ!」と言われ続けていました。

そんな所にマチコが、「今まで漫画を読んでこなかったけど、Eのはてな読んでもっと漫画も読もうと思ったよ」「今こそEに漫画借りたいのに日本にいないんだもんねー」などと嬉しい事をつぶやいてきました。

そこで、たのしいことを思いつきました。
わたしの漫画を預かっている秘密結社「漫画の友(仮)」から無理矢理漫画を送ってやろうと。

もともと、こういう私の我がままを、マメにやってくれそうな友人たちを選んだ結社ですから、すぐに第一陣が動き、彼女の元に早速マイコレクションの一部が届きました。

で、「いやーいっぱい届いたよ! でも何の意図があるのかさっぱりわからんYO!(笑)マンガ読んで勉強しろってこと???セレクションの説明プリーズ! 」、とマチコに言われたので、届いてる分だけ解説します。
うん語る語る!うれしいうれしい!ハッハッハッハッハッハ(犬)

・まずは、2つの藤崎竜短編集WorldsDRAMATIC IRONY、そしてPSYCHO+ 1 DRIVE A GAME START PSYCHO+ 2 DRIVE B GAME OVER(つまりはサイコプラス全2巻)

藤崎竜といえば封神演義が一番有名ですが、私は封神より、なんといってもこれら初期作品に見せる希有な発想力、少年誌の枠に収まらない異物感をたたえ、短編の枠できちんと描かれる異形の世界観に脱帽。特にサイコプラス2巻に収録された『伝染源』という短編はまさに「衝・撃・作」という一言につきます。
あとサイコプラス2巻の、雪乃ちゃんの「行ってよ緑くん。この世界には今も色んな人が色んな気持ちで生きていて、その中の多くの人がまだ生きたいと思ってるんじゃないかな」みたいなコマが最高。
藤崎さんにはこの素晴らしい才能を大事にして欲しいと思う。封神も十分面白かったけど、初期作品の衝撃に比べたら自分にとっては肩すかしだった。

冨樫義博レベルE全3巻
とりあえずこの世で最高にすごい漫画のひとつであると思う。とにかく全エピソードそれぞれ面白いが、特に、1巻の一番最後、4人の高校生がシリアルキラー的宇宙人の存在に気付き、身を守るために調査を始めるってやつが一番ヤバイ。あのインタビューの見開き一頁は、革新的演出という意味も含め、漫画史にこの一頁アリ、と言いたい。そして最後のあの黒板前のモノローグ、鳥肌!!!!一生忘れられない一言です。
(ちなみに幽遊白書HUNTER×HUNTERは弟のものなので含みません)

かわみなみファン気ぃな親父<カレ>
なにしろ ビブロスというとてもマイナーな出版社から出ていて絶版なので、アマゾンデータなし。少女漫画的想像の中(笑)のロンドンを舞台にしたある少年の成長物語。
でもこれがナカナカどうして、バカにできないビタースウィートの人生教養漫画としてよく出来てて、ホロリとくる名作。街に吹く風の匂いや、メインキャラクターである主人公の叔父さんの作る料理や、叔父さんがきっとつけていそうな男物の品のいいコロンの匂いなんかが、読んでてそのまま伝わってきそうな、ウマイ少女漫画。読む度叔父さんの作った海老料理が食べたいと思う。

・サイコで今をときめく画:田島昭宇+原作:大塚英志コンビの魍魎戦記MADARA全4巻(私の持っているやつはこの完全版じゃなくて旧版で全4巻なんだけどデータないので)
参照
さては壮大なるマダラシリーズの原典。今は超美麗な絵でならす田島昭宇のまだ絵が下手で、最初の方は話も微妙にトロイところもご愛嬌。でもやっぱり異才競合が炸裂しちゃってて途中から面白くなる。枝分かれしていくパラレルワールド作品も夢中になって読んだ傑作本編。

で、多重人格探偵サイコ1−6巻(当時)
フツーに面白い。絵・展開・演出と全てがハイクオリティ職人芸サスペンス漫画。
これは預けた子に「続刊集めてるならそのまま持ってていいよ。判断まかせる。」といったので送られてはないかも。

大和和紀あさきゆめみし1-10巻
(全13巻なのですが、10巻で本編終了で残りは番外編みたいなものなので)
源氏物語を原作にしためくるめく歴史長編少女漫画。
登場人物の顔が似通ってるのと名前が難しい(しかも平安だけに名前自体変わる)のとで、2回くらい読まないと展開についていけないのが難点。これを読んで和歌にはまった。かなり泣かせる描写が多く、5巻あたりから10巻までずっと涙無しには読めない。大奥とか好きな人にはオススメ。命短し恋せよ乙女とばかりに色んなタイプのいい女が出て来ては恋をしていく。

あ、ちなみに、177冊全部一気に届くわけじゃないから安心してくれたまえ。読み終わった分は私が帰国時にでも回収しにいくし。さて今後何が届くかはお楽しみに・・。