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猿の惑星: 新世紀/ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/物語る私たち

ゲーム業界が楽しくもせわしないCEDEC東京ゲームショウが終わった後の週末、祝日をつないでお休みにしていたので映画三本見ました。
どれも大当たりでした。

前回はかろうじて人間の主人公のシーンも多かったですが、今回はほぼ猿ばかりの映像で、その思い切りがまず、おお〜潔いと思いました。主人公お猿のシーザー役アンディ・サーキスがもうすごい。かっこいい。裏主人公というような立ち位置のお猿、コバも!コバ、設定読むとずっと人間に虐待されてきた過去があるから、むちゃくちゃかわいそうなんだよな。そのシリアスさと真逆の、敵を油断させるためにお馬鹿なふりするシーンがとても印象的だった。ジョーカーのWhy so serious?的な、怖い人がふざけてると「なんかやるんじゃないか…?うわーやっちゃった!!!」ていう緊張感が。

アンディ・サーキスさんの仕事って、てっきりモーションキャプチャーだけだと思ってたんですが、ゴラムからシーザーまで声優も彼がほとんどボイスエフェクトなしでやっていると知り驚嘆しました。

ゴラムと『猿の惑星』シーザーの会話をアンディ・サーキスが披露
http://www.kotaku.jp/2014/07/andy-serkis-channels-gollum-caesar-the-ape.html

ハリウッド版中島春雄 +山寺宏一レベル…?演技の歴史的に誰も先人がいない荒野を一人切り開いて開拓しているようで、鬼気迫るものがあります。
彼に憧れて第二第三のVFX俳優道を極めんと奮闘してる若者がいるんだろうなーと考えると胸が熱いです。
『創世記』は"Noooooo!"と薬の瓶をシーザーがコロコローって投げるところなど、5億点シーンが満載だったので興奮するのは『創世記』、シーザーの最早「よっ待ってました!」「シーザー師匠!」とでも掛け声をかけたくなるような見栄切りとシリアスな演技を存分に楽しめるのは『新世紀』という感じでしょうか。

世界観の描写として、アイアムレジェンド、トーキョージャングル、ラストオブアス、猿の惑星:新世紀…この流れには都会緑化型アポカリプス描写の遺伝子感じます。

あと、この住宅情報館のコラボは吹いた。無理やりすぎるでしょw
http://www.youtube.com/watch?v=Vps9SWAViiM

  • 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

オールディーズ音楽の使い方、何そのおっさんホイホイ的設定ずるい!…楽しんだけどね!楽しんだけどね!最初の廃墟探検シーンとか、最後の戦いとか最高だよね。
ピーターのガスマスク的装備とジェットブーツ、ウォーキング・デッドのメルル役で知られるマイケル・ルーカー演ずるヨンドゥさんの武器などSFガジェットが色々と凝ってて楽しかった。
ヨンドゥの状況によって敵にも味方にもなったりする、ルパンにおける銭形警部であるとかX-MENにおけるマグニートであるとかそういう一筋縄ではいかない感じ、いいキャラクターだなと思った。
枯れ木っぽくて弱そうなのに、なぞの最強さを誇るグルートや、出生の秘密があるらしい主人公などなど、
皆キャラクターとして全貌が明らかになっていない人ばかりで、キャラクター掘り下げという面では自己紹介編って感じだったね。
これを見て以来、家庭内でずっと「アイアムグルート〜」「ウィーアーグルート〜」で会話してます。

  • 『物語る私たち』

何度も描写を思い出して心に断片がしんしんと降り積もるような傑作、という意味では、この三本の中でも群を抜いていました。
ああ、家族…!人間の苦み、凄み、重み、軽やかさ、強かさ、色々なものが詰まっていました。

サラ・ポーリー監督の家族の複雑さは、波乱万丈なようでいて、でも今の離婚や不倫の割合からいえば珍しい話ではないのかもな、とか。
見方を変えれば誰の人生にも悲劇的なところと喜劇的なところがあるんだろうなっていうのは本当にそう。
マイケル父さん好きだな。ちょっとうちの夫っぽい。本人はあそこまで冷静じゃないって言ってたけど。
自分の家庭も色々あり、産みの父と育ての父×2名がいるのだけど、
産みの父と思っていた人が実は違っているかもしれなかったりして…
正直、そんなこともあり得るかも、あっても驚かないかも、と思ってしまった。
タイプ的にダイアンは少し母に重なる部分もあった。
サラ・ポーリー監督の溢れる知性と家族愛と客観性の同居、鮮やかでした。
マイケル父さんが心理的に言いづらいことをわざと何度も言わせたり、ハリーがロマンチックな事を語ってすぐそれに冷水かけるようなシーンを続けたり、黒い演出に笑った。いじわる(笑)
あの流れは不倫相手は無責任だからこそロマンチックな事を言う、みたいな言説を証明してた(笑)

昔「ナラティブ・アプローチ」に関する文献を読んだことがあったので、まさに格好の教科書のような内容だったのも興味深かった。
映画を見る前や見た後にこういう心理学・社会学の概念があることを知っていると一層面白く見られるのではないかと思います。
http://blog.jma-net.jp/article/387450941.html