まだ終わってないけど卒論のこと
落語についての卒論を夏休み中から本格的に書き始めてました。どうなることやらと思ってたけど、ひとまず第一稿を書き終えて教授に見せたら、「このまま色々直したり発展させたりしてくれれば良いですよ」とあっさり言われたので、一安心です。
(夏休み中の戦場図。論文とかテスト前とか大仕事する時は机や床にどんどん資料を積んで行って、散らかして、後で一気に片付けてスッとするのが趣味です)
そもそも恋愛的に好きな落語に対して研究目線で小難しい事考えるのはけして楽しい作業ではない、とも思うのですが、まあどうせ何かトピックを選んで、すごく色々調べて頭のリソースを使うなら、好きな物にしようかという感じです。個人的に論文とか書く時は社会学系統の視点が一番しっくり来るし、読者がアジアのことを学問的に研究しているアメリカ人教授だし、このセリフがどうの、マクラがどうのとかいう事を説明するより、落語と日本社会がどう相互に影響しあってきたかという話が専攻に合うのでそういうのを書いています。
なので、ここへきて、本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に本当に、
- 作者: 堀井憲一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/06/17
- メディア: 新書
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Rakugo: Performing Comedy and Cultural Heritage in Contemporary Tokyo
- 作者: Lorie Brau
- 出版社/メーカー: Lexington Books
- 発売日: 2008/02/28
- メディア: ペーパーバック
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ちなみに米英Amazonのデータと図書館データを調べまくりましたが英語で書かれた落語を主題にした本を探すと、ナント英文かつ流通している落語の本はまだ世界でたったの2冊!歌舞伎の事とか書いてる本は死ぬ程あるのに完全に英語上の日本史から抹消されています。歌舞伎に親しみある日本人より(録音・映像含む)落語に親しみある日本人を江戸から現代まで通算したら圧勝で落語なのにー。Brauさんが今年上記の本を出すまでは1990年の森岡さんと佐々木さんが書いた本1冊だけでした。
Rakugo: The Popular Narrative Art of Japan (Harvard East Asian Monographs)
- 作者: Heinz Morioka,Miyoko Sasaki
- 出版社/メーカー: Harvard University Asia Center
- 発売日: 1990/05/08
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他にも山本進『図説:落語の歴史』『落語ハンドブック改訂版』、芸能史研究会『日本の古典芸能9 寄席』、暉峻康隆『落語の年輪』、興津要『日本文学と落語』などを、昔の話パートの資料として使いました。特に山本さんの『図説』はもうなんか舐めるように頬擦りするように読んでます。端的に、でも詳しい資料が欲しい!という学生にとっては最高の資料集です。
あと、これは落語と差別用語の問題の資料としても使ったんですけど、それ以前に「視覚障害者と落語」っていう私の知らなかった世界を教えて下さって、かつ、いち落語ファンとしても色んな事が目から鱗だったこの本も紹介しておきたいです。- 作者: 三宮麻由子
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2006/07
- メディア: 単行本
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現代の事に関しては、当然ネット記事にもお世話になってますが膨大すぎるので列挙は割愛します。ただいくっちさんの落語ニュースクリップにはスペシャルサンクス!!!です。こんなに大変なことをいつもいつも有り難うございます。そして、第一稿書いた数日後に内容的にかぶる所のあった落語ブームは「砂上の楼閣」?を読んで触発され、そのまま梅さんとメールで交流させて頂き、たくさんのアイデアを思いつき、整理することが出来ました*3。それと、ちょっとまだその方と話した内容を使うどうか分からないし、許可とってないのでお名前は伏せますが、某演芸研究家の方も、その人が書かれた記事に疑問があってメールした所、どこの誰とも知れない私とがっぷり四つ構えで真摯に議論を重ねて長文応答して下さって感謝しています。
日記を書き出した当初は近況報告*4を書くつもりだったのに、卒論の謝辞兼資料紹介になりました。まだ一応終わってないっつの!え...?肝心の本文をここで発表するかですって?だって英語なんだもん..!訳すの大変だし!あともしインタビュー系の情報を使うとしたらちゃんと許可取り直さないといけなくなるし..。
※参考までに今持っている落語資料を別記事にまとめておきました
http://d.hatena.ne.jp/stilllife/20080918/1221738260