今日も生きてる

天満天神繁昌亭昼席6月8日

〜お番組〜
露の団姫 『松山鏡』
柳家初花 『やかん』
桂三金 『桃太郎』
林家笑丸 『若手落語家のバラード』(ウクレレ漫談)+『アクロバットかっぽれ』(踊り)
桂坊枝 『火焔太鼓
立花家千橘 『豆や』
<お仲入り>
笑福亭三喬 『阿弥陀池
旭堂小二三 『応挙の幽霊』(講談)
桂三歩 『青い瞳をした会長さん』
露の五郎兵衛 『ねずみ』


初花おっかけツアー二日目。
竜野から東梅田駅まで初花さんと移動。東梅田駅で『繁昌亭』の看板を見ただけで、鼻の穴をふくらませて興奮(してる所をまた初花さんに「顔が・・」とつっこまれる)。寄席の場所だけ教えてもらってから別行動。とりあえず天満天神でお参りし、寄席の周りにあったうどん屋さんで、初花さんのゲンかつぎに「すべらないうどん」と銘打たれたうどんを食べてみた。

  • いきなり団姫(まるこ)ちゃんにビビッと来ちゃったぜ。すんごい声がかわいい。もともと高音の落語家さんは苦手なことが多いのに、この人の声は高音だけど、透明感があるというか、鈴や風鈴を鳴らしたようないい音色でグッときてしまった。
  • 大阪行きの電車内、「浅い出番でいい仕事するのと手抜きは絶対違うよ」「前座噺とか軽い噺もやっぱ大事だよね」という話で初花さんと盛り上がった流れがあって、「そういえば初花さんの『やかん』をえらい褒めてる人がいた」という話をしたので、『やかん』がかかってニヤリ。わーいすぐ聴けた。客席の反応も上々でとりあえずホッとする。
  • 寄席の踊り大好きッ子なので、笑丸さんの『アクロバットかっぽれ』=バク転つきのかっぽれに仰天。大喜び。
  • 露の五郎兵衛さんを見て、「よのなかには『子供と動物には敵わない』という言葉があるけれど、落語界的には「子供と動物とおじいちゃんには敵わない」ってあるよね、いい意味で」と思った・・かわいらしい。
  • この日一番感動したのが三喬師匠の『阿弥陀池』!!私にとって『阿弥陀池』、つまり江戸落語の『新聞記事』といえば、かなり「誰がどーーやってもつまんない噺」でした。以前にある人で『阿弥陀池』版も聴いたことはありましたが、その印象は変わりませんでした。しかし、今回でそれは覆されました。っっっ超最高だった!今だかつてない、ものの見事なくだらなさ、でもそのくだらなさが心からいとおしい!!こんなの初めて聴きました。間合いがすごい。口調がすごい。声がすごい。
  • 東京でいうならば、柳家さん喬師匠的「真顔でくだらない事を言うことによってモクモクと醸し出される何とも言えないフラ(雰囲気)」と、柳亭市馬師匠的「声と口調の気持ちよさ」を合わせたような感じでしょうか。

ピンポイントでステキ!フレーズをとりあげると、何回か繰り返される「ウカウカッとひっかかる」がもーーたまらなく良かったです。溢れる多幸感にウカウカッと包まれていました。

  • 東京と違い、繁昌亭では終演後も出演者がほとんど残ってらっしゃり、最後に並んでお客さんをお見送りしてくれる。初花さんに一言「お疲れさまでした」とだけ言った後ツーーっとほぼ素通りして三喬さんに興奮しながらご挨拶しましたミーハーです!

「東京から来ました!*1」「去年の大銀座で三喬さん聴きましたよー!」「いやー今日のはすごかったです!くだらなくて最高でした!」と言ってきたら、後日初花兄さんから「初対面で『くだらない』はないだろ〜」とまたも注意を受けました。「『俺の客って言ったら俺が三喬師匠しくじるから絶対紹介してやらない』って思った」とも・・私と初花さんの関係はもはやちょっとした行儀見習いの域です。あにさんにゃ頭が上がりません。

*1:まるで三喬さん目当てでわざわざ来たかのようなニュアンスでいけしゃあしゃあと