今日も生きてる

立川流広小路寄席

平成18年6月17日 於:お江戸上野広小路亭

ーお番組ー
立川文字ら 『のっぺらぼう』
立川談大 『子ほめ』
立川志ら乃 『狸の札』
土橋亭里う馬 『強情灸』
立川談修 『家見舞』
桂文字助 『豆や』



志ら乃粘着追っかけ宣言と初花愛に身を引き裂かれ、文字助師匠が終わったとこで極悪非道の途中退出。この後の方々ごめんなさい!


・日暮里は結構何度も行ってるけど広小路は初めて。開演時間前から文字らさんが一席やって、「アレ、開口一番は開演前にやる式?でもプログラムにはちゃんと予告開演時間の12時から開口一番て書いてあるよ?」と思ってたら、さらにもう一席談大さんがプログラムどおりに『開口一番』。これいつもこうなの?それとも何かトラブルがあったのかな?


・志ららさんで『子ほめ』を聞いた時サゲが他と違って気になってたんだけど、談大さんの『子ほめ』も同じ「タダ」サゲだったので、立川流の人達はみんなこのサゲなのかしら。あ、でも志の春さんは「半分」サゲだった。こっち二人は同じ人から教わったのかな?私調べでは他にも柳家さんは大方「半分」サゲ。私は「タダ」サゲのほうが圧倒的にしっくり来て好き。


志ら乃さんを立川流の一門寄席で聞くのも初めて。出番が浅いので遅れて入ってくる客が多く、マクラ中は恒例の客いじり。こんな所もツカミにしてしまうのが前説トークで鍛えた志ら乃・志ららクオリティですよ!二度目以降に聞くマクラはフライング笑いに注意です。


一門寄席は立川流なんだから人脈的には「ホーム」なはず。なのに、いつもの「攻める落語」な志ら乃さんと比べると「アウェー」的な役所。さてどんな噺を選んで「ヨソユキの顔」するのかなぁ、と思えば『たぬき』。
そうか、そう来たか。ああ、本来は二ツ目ってこういう出番の使い方するもんなんだよなあ。これだけ人数出る会で、こんな最初っから全力投球でお客持ってこうとしないよなあ、としみじみ違いを感じた。

それにしても、志ら乃さんは6/3横浜の噺三席で観客のおじいちゃんに面と向かって「速過ぎです」って言われて以来、やっぱり今までに増してテンポを抑える事に勤めている気がする。『狸』は元々あんまり速さが出ない噺だから、気のせいかも知れないけど。


とにかくも、志ら乃さんの狸吉はかわいいなあ。小脇に抱えてうちへ持って帰りたい。顔がトクしてるよね。なんか目元が黒目がちでくりっとしてて小狸っぽくないですか。小狸声の高音もすこぶる愛くるしい。そして主人公の狸へのやさしさがやっぱり微笑ましくて和むねえ。「攻める落語」が得意の志ら乃さんだけども、この穏やか落語も素敵です。今日は胃がもたれると辛いスケジュールだったしね。


ちなみに、疑り深い借金取りがお札を見分する擬音「くしゃくしゃにしてぱー、くしゃくしゃにしてぱー」が単純に音として心地よい耳福*1のいたりで大好きなフレーズ。新くすぐり、「オレはシャツを買いに来たんじゃねえんだぞ!」どこで出るかは聞いた人のお楽しみ!


・里う馬さんの『強情灸』。良かった、聞いてみたかったんだ、まともな『強情灸』。だって「アノ人」が初めてだったんだもの(前座の人です、苦笑)


・談修さんの『家見舞』。うわー談修さん久しぶりでうれしい。清流のような気持ちいい喋りっぷりに胸の奥がきらきらする。

・文字助さんは初めて。ちなみにこの文字助さんの一席で、立川流二ツ目以上は超レアポケモンのらく朝さん以外全員拝聴済みと相成った。一つの小さな目標を達成。前座を入れても19分の13人拝聴済み。落語歴半年未満としては結構なもんかと思う。文字助さん、流石に一段風格の違う波動が出ていた。噺は『豆や』だったのだが、マクラで色んな売り声を披露。こういうのは好きなので得した気分。


さて、ここでめくりが変わる間に押っ取り刀で立ち上がり、失礼、失礼、手刀を切って、誠に失敬と相成りますが、退出つかまつり候!(タタンッ)
我が主君がため足早に向かう御徒町北口、あっ、いざ、かーわーさーきーへぇえー!


・・・と、私の中の侍が言いました。途中退出したのはその侍の責任です。
するってーと、我が君は将軍家ならぬ柳の宮だね。ザ・若様な人の一番弟子だし!

*1:ミミフク、と発音したい