今日も生きてる

立川談志一門会

平成18年5月26日 於:町田市民ホール

ーお番組ー
立川志ら乃 『時そば
立川談慶 『片棒』
立川志らく 『厩火事
<お仲入り>
立川談志 『木乃伊取り』


前座の開口一番は無しで志ら乃さんから。この前の志らく百席で志らく師匠の『時そば』を聞いたばかりなので色々比較してしまった。志ら乃さんの『時そば』はあまり師匠に似てないのね。どちらかといえば最近聞いた瀧川鯉昇師匠に似ている。この二人の、語尾がつるんつるん跳ねる江戸っ子口調、ことに『時そば』の当たり屋の客の口調は、流派とか師弟とかぜんぜん関係ないのに通ずるものがある。まずいそばを隠れて捨てちゃうのは志らく師匠譲り。「お得意さん」→「特異な客」、「みょがい」、にくすり。


今日私の席は余りよくなかった。今だけあともう少し視力がよくなればいいのに、という微妙な位置だった。仕草や大まかな顔は見れるのだけど、細かい表情までは分からない。志ら乃さんの黒いそば屋の黒い表情や、家元のおかみさん、花魁の顔をちゃんと見たかった。


志らくさん、家元は「円」が広いので平気だったのだが、志ら乃さん、談慶さんはこの席あたりになると届かないみたいで、いまいち集中できなかった。同じ距離でもにぎわい座くらいの狭さだったら十分届いただろうけど、なまじホール自体も大きいだけに、声も気迫もいまいち弱く霞んでしまっていて、「時そば」「片棒」と聞きながらだんだんボーっとしてくる。


家元と共演する時の志らくさんは借りてきた猫のようになりがち、と聞いていたのだけど、今回は家元の楽屋入りが遅れていたためか、とても生き生きとしていて全力全開にはじけていた。5/21の一門会、5/23独演会に引き続き3度目の厩火事ですが、今日が一番よかったかも。


とにかくのっけから今までで一番おさきさんのテンションが高くて勢いにもってかれるし、家元待ちだったので時間によっては流す時もあるくすぐりもたっぷりやる。たぶん一門会・独演会の時は20分前後くらいで今回は30分越えた、かな(計ってないからわからんけどそれ位に感じた)。


チンパン探偵もたっぷり(志らくさん、絶対「チンパン探偵」気に入ってる!割と無理矢理にでも入れてくる、笑)、白馬の王子様もたっぷり「パッカラパッカラ」つき。
独演会の時に「ご隠居さんが」本気で間違えた「正:さるお殿様」「誤:猿のお殿様」を、「お前があんまり言うから私も間違えたじゃないか」と今回はわざと間違えてくすぐりにしてしまっていた。転んでもタダじゃない起きない芸人・立川志らく、かっこいいー!


おさきさんが帰って来た時、ちまっと言う「ただいま。」がかーーわーーいーーい。「まあ、おまえさんもろこし・・」は独演会の時のほうがタメが深くてよかったかな。


そして今日も家元はかなりオネムなご様子。「俺が寝るかお客さんが退屈して寝るか。お客さんが先に寝たら子守唄うたってやるよ」て自分でいうからね。私感では、たぶん、すっきり目が覚めて身が入り出したのは『木乃伊取り』で飯炊き権助に酒が入ってからくらいじゃないかな・・(超終盤やん!)
しかも、「目が覚めたと思ったら声がダメみたい。聞こえる?」聞こえるけど、たしかに声、いつにも増してつらそうだなー・・。太鼓の一八の「いよよーん」とか、おかみさんの声とか、いい調子の時に聞きたかったようーと思った。


噺の途中で雑談を入れても、昔は軌道修正がすぐ出来たけど、今は、一人二役で「先生、どこまで噺を?」「・・・(←考えている間)誰々が何々したくだりまでやったんじゃないか」と、一旦止めて確認する場面が二度ほど。


木乃伊取り』、家元のおかみさんと花魁はいいよ、と聞いてたけど、ほんとにいい。家元の女形大好き。花魁が耳元でささやく「あ・た・し」「す・き」「ひ・と・め・ぼ・れ」たまらねえーーす。家元の目が覚め始め、権助がほだされ始めた最後のへんで一気に盛り上がって、満足。家元、かわいいよ、家元!やっぱりこの人の女形とか照れ笑いとか、楽しそうな顔とかたまらーん。本当にもちっと顔が見れればよかったな。

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