今日も生きてる

劇団、本谷有希子(アウェー)『密室彼女』(原案:乙一、脚本・演出:本谷有希子、於:下北沢スズナリ)5/9昼(『志の輔のにぎわい』の前)

2000年の旗揚げ公演『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』、2001年の第二回公演『死ぬ気ね』以来の本谷(本公演じゃないけど)。今やすっかり若手の旗手。


これも素晴らしいお芝居で大満足。胸がつまるような濃厚な人間模様の飛沫、想像だにしない先の展開、今から更に新しい物語の始まりを予感させるような余韻を残すラスト。最後の展開などすっきりしなくてもいいんだ。超美しかった。説得力さえあればいい。十分に、物語に打ちのめされる事の快楽を得たし、最後に強度と美しさが残ればそれでいい。
簡略化の妙である落語ばかり見ているので、長いスパンで伏線が二重三重に錯綜する複雑な現代劇がまた逆に新鮮だ。


劇団拙者ムニエルのファンでもあるので加藤啓さんの拙者では見られないシリアス演技にもびりびり痺れる。色気があって渋くて、格好よかった。いい役者さんになったなあ。拙者ムニエルは渡米した2001年以降もわりと帰国時期と公演時期が重なってて定期的に見れている。今度の6月公演『華なき子』も行くざんす。