今日も生きてる

末廣亭平成18年4月10日(上席)昼


もちろん夜もそのまま入替え無しですが、長くなりそうなので、まずは昼の部。

<昼の部>
三遊亭白鳥 『戦えおばさん部隊』
〜仲入り〜
林家きくお 『後生鰻』
林家種平 『ダジャレ居酒屋*1
春風亭正朝 『宗論』
林家いっ平 『浜野矩随』
(正藏代演→白鳥、小朝代演→正朝)


・白鳥さんの前、手品の花島世津子さんから入りました。
隣のおじさんが仲入り中、携帯片手に「オイ!今さー仲入りだけどよォ、正藏も小朝も出ねえんだよ〜ったくよォー。ああーー権太楼見たら帰るわ」と怒っていたのを筆頭に、代演に文句を言っている人多数。でも私的には今日の白鳥さんも正朝さんも面白かったので満足。


・前回、池袋の『トキそば』も面白かったですけど、衝撃といえるほど心強く惹かれたわけではありませんでした。しかし、この日の『おばさん自衛官』はすごかった!オナカチギレル、という位笑いました。

マクラ→噺の切り替わりのスムーズさって私は結構気になるんですけど、白鳥さんの実のお母さんの笑い話、自衛官の友達の話をマクラにしてすーっと本編に入っていき、ご自身も「ふくよか」な白鳥さんの体から繰り出されるおばさん自衛官の妙技に思わず脱帽!脱毛!脱衣!卒業!抜歯!
超おかしかった!
よ、奇跡の肉体派落語!


・正朝さん。『宗論』初聞き。これは面白い。この噺はやる人それぞれサゲが違う場合が多いみたいで、色んな人の聞くのが楽しみですね。ここでネタバレをしたくないので正朝さんのは何かとは書かないですけど。あと『宗論』で検索すると白酒さんの『宗論』がずいぶん評判いいので聞いてみたい。白酒さん結構好きだし。


・いっ平さん。『浜野矩随』自体は志ん朝さんの音源で聞いたことがありましたが生で聞くのは初めて。志ん朝さんもマクラで「父親が巧い、息子がマズイっていうのはいけない」と笑ってネタにしていましたが、いっ平さんもそういうことを言うはず、言うはず、と期待しながら聞いてると意外にもそれには触れずに噺へ。


正直わたしは人情噺はあんまりグっときたことないんですけど、これはなかなかどうしてちょっと胸に来るものがありました。いっ平さんの気迫にやられ、集中して聞かせる緊張感が出せる人なんだなーと思った。


と、お客が矩随さんの感動大団円にほーっとなった所で、いっ平さん真顔で、「・・・人はどこで才能を開花させるか分からない、という噺ですよね・・『○年前の末廣亭で、いっ平はまだまだ荒削りだったけど、いやー立派になったもんだよ。あの日あいつに祝儀やって、それからいい付き合いしてるんだ」と数年後に言えるようになるのは今がチャンスです!是非この後楽屋にお越し下さいませ」というオチ!
感動の後のココでそういう笑いとるか!と、お後もついて聞き応え十分な、いい一席でした。

*1:たぶん新作・正式なタイトル不明