今日も生きてる

末廣亭余一会・第15回三派連合落語サミットその2


長いので談志師匠登場編と分けます。
さて談志師匠以外の感想。

春風亭昇輔 『荒川の花園』
立川談慶 『洒落小町』
ティファニー マジック
林家染雀 『豊竹屋』

立川談春 『貧乏花見』
柳亭市馬 『花筏
〆さばあたる・ひかる 漫才
桂米助 『猫と金魚』
立川談幸 『鹿政談』
<仲入り>
春風亭勢朝 『紀州落語協会バージョン(将軍跡目争い→落語協会会長選挙に置き換えて)
東京ボーイズ
桂竹丸 『石田三成
春風亭一朝 『蛙茶番』
ボンボンブラザース
春風亭昇太 『壺算』

◆夜の部◆
桂夏丸(開口一番) 『英会話』
林家きくお 『新聞記事』
林家彦いち 『長島の満月』
磁石 漫才
桂あやめ 『ルンルン大奥絵巻』
立川談四楼 『三年目』
松元ヒロ 一人コント
立川左談次 (三遊亭圓歌著『若者よ』を読みながらツッコミを入れていく)
三遊亭小遊三 『幇間腹
<仲入り>
姉様キングス 漫謡
昔々亭桃太郎 『ぜんざい公社』


立川談志 


古今亭志ん駒 『志ん駒ヨイショーズ』
林家正楽 紙切り
三遊亭歌之介 『爆笑龍馬伝
大喜利」 司会:高田文夫  きくお・彦いち・勢朝・染雀・あやめ・竹丸


余一会、昼の部。
これがねー、二階桟敷だったんだけど、思った。
「高座は上から見るもんではない。」しかも遠いのなんの。もし一階席だったら、昼の部の人に対する評価は確実に変わっていたと思う。声が、波動が、届かない。
志の輔さんとか、大きい所でやり慣れてる人だったらこの障害はないのかしら。


とにかくメモが膨大な量なのでハイライト箇条書きで。


・昇輔さんの途中から入りました。
ちなみに昇輔さんは今年度の年鑑見たら載っておらず、アレアレと思ったら、今年5月から瀧川鯉朝で真打になるためそっちで載っていらっしゃいました。
て・い・う・か、志ら乃さんは「前座」と誤記されてるんですけど・・?!!立川流ツブシ、ダメ、ゼッタイ!関係者表出て来いやコラ!!問い合わせの電話かけんぞコラ!


・染雀さん。上方には抵抗があったけどとても聞き易かった。夜の部で姉様キングスでも出るだけあってお唄がとても上手。それがお噺と相まってなかなか素敵だった。


談春さん。「入れなかった人もいるくらい、満員らしいね」「こんなに入るなら普段から(立川流も)やればいいのに」とオトナの皮肉を!そうだーそうだー!


・市馬さん、良かった!声フェロモンすごすぎ!やばい!メモに羅列された言葉が実に、「いい声ですステキ」「かっこいいッスねー」「相撲の呼び出し激ウマ」「マジかっこいい!」「メロメロ・・!」と、私の発狂具合が伝わりましたか。笑える落語もいいけど、男前とか格好いいっ!て落語もいいよね。


・「笑える」「気持ちいい」「格好いい」「色っぽい」「かわいい」色んな良さがある所が落語の面白さだと思うけど、それでいうと私にとって談幸さんは癒し系ナンバーワンです。あのお声とアルカイックスマイルにホワワーンとなる。


・勢朝さん。すごく面白かったわけではないけども、『紀州』をアレンジして落語協会会長選挙の噺にする工夫はなかなか。


・昇太さん。ついに初見!キャーーーかっ!こ!い!い!ーーーーっ!(←単に顔の好み)超チャーミングだわ。アワワワ。さすがに出てくるだけでオーラを放つスター性がある。


音源で『看板のピン』聞いた時はあまりよくなかったけど(たぶんお声自体はいまいち好みでない・・残念)、今回初めて直に聞いた『壺算』、何がすごいって動きがすごかった。買い物上手な人のほうじゃなく、あのマヌケな男の方の「ねえまけて!まけて下さいよ!」と店主にすがりつく動きで、「こりゃまけるしかない」という気持ちにさせられるという。同じ動きを二回やったけどやる度に会場中大爆笑。


今回は三派連合サミットということだけあってマクラで立川流をネタにすることが多かった。昇太さんも「今就職難ていうじゃないですか」「どっかに弟子入りすれば落語家にはなれますから、どっか楽そうな人の所行けばいいんじゃないかな」「分からないのはあれですよ、談志師匠に弟子入りする人達!!何も好き好んでそんなとこに・・!『憧れ』と『実際』は違うだろ!」とかゆって笑いをとっていた。


「これだけ長くなってくると聞いてるお客さんのほうも大変ですよねー」「とくに二階席の人達がんばって!!」「まだ夜があるよ!!」とかコール&レスポンス、お客さんを盛り上げるのもホントにうまいね。さすが、人気者たる所以。


夜の部。
入替えに乗じて一階桟敷席ゲット。暖房前ってのがキツかったけど、やっぱり二階席とは臨場感が全然ちがう。
見回すと、もう4回くらいどこかで会った気がするおじさんがいた。
あとタイガー&ドラゴンのおでん屋半蔵役をしていた半海一晃さんにとてもよく似た人がいたんだけど、気のせい?
なんか他にも後ろの方に業界人ぽい人たちがちらほら。何せこの出演者だから、誰が来ていてもおかしくはない。

・あやめさん。マクラでドラマ『大奥』のおどろおどろしいシーンを迫真の演技で再現→「こんなんがホンッマに好きなんですわー」というのがえらく面白かった。その後『大奥』を元ネタとした新作。この人本当に好きなんだな、という愛を感じる楽しい噺。そして染雀さんとの花魁漫謡ユニット、姉様キングス!!かなり良かった!!


・左談次さん、圓歌著『若者よ!』を読みながらツッコミを入れていく。これが、めちゃくちゃ可笑しかった。意味の分からない文のことを皮肉って、「・・・?哲学的な内容ですよね」「『オレの好敵手になる奴はオレくらいしかいない』・・大きく出ましたね」とか。「笑い」だけでいえばこの日一番笑ったわー。毒舌好きにはたまらん。最後は「・・ってこんなの嘘だろー!!」と叫び、本を床に叩き付ける左談次さん!『キレ芸』キターーー!毒舌は、勇気ある男の勲章です!かっこいい!


「(圓歌師匠によれば)何にでも、競い合うライバルというのがいるといいらしいですね。成る程、王に長嶋、○○に××・・」と色んなすごい人達で例をあげた後、「こらくにキウイ、これは誰もわからんか」と言ったので、満員の会場内、笑ったのが私とどこかのおっさん一人だけだった。


・桃太郎さん。ジャン=ピエール・ジュネとかティム・バートンの映画を観ている時の感覚みたいに、不思議な世界に連れ込まれる。今まで聴いた事のない類いの落語。どっと笑わせるようなこともなく、静かで淡々としているけど、そこはかとなく、じわじわ可笑しい。不気味で少し怖くもあるけど、やっぱりヘンで面白い、奇妙な雰囲気がある。動きは少ないが、最後ぜんざいのおもちを食べる顔芸が強烈。しっかりしたサゲにもニヤリとしてしまう。味あり一本!


・歌之介さん。坂本龍馬の話と絡めながら自身の生い立ちなど色んな事(本当に四方八方に話題が飛ぶのでそうとしか言い用が無い)を話す長い噺の途中まで。『爆笑龍馬伝』というタイトルに偽りなしの面白さだった。「という長い長い噺なのですが、残念ながらお時間でございます」という言葉がちゃんと落ちみたいになってて満足。


大喜利高田文夫を見るとどうしても高田亭馬場彦タイガー&ドラゴンの役名)を思い出して本名が出て来ない。家元登場の興奮の後、何を見ても聞いても楽しいというふうに「出来上がっていた」こともあり、お祭りに相応しい華やかな最後だった。