今日も生きてる

第165回葵落語会

さて(世界の中心でアイをさけんだ)この日、行った落語会はこれなのだが。

立川千弗  『三人旅』
立川談修  『看板のピン』
立川談慶  『妾馬』

http://www5a.biglobe.ne.jp/~aoizusi/rakugo.htm

わたくし事で憂いがあるので、なんだか語る期を逸してしまった(当日は興奮ありあまってたけど)。


25時間落語を見ていた故に私側の思い入れもあってか、大事を為し得た本人の気迫のためか、談慶師匠には圧倒されるものがあった。ご本人の日記によると、疲労のため口が回らなかったとのこと。しかしそんな事はまったく気にならなかったし、連れの人いわく「談慶さんは二回目だったけど前よりずっと輝いてた」とのこと。


なんだろうなあ、ギュッと意識を集中させられ、いままでになく、聞き入ってしまったよ。近いっていうのもあるんだろうけど。


正直ネット配信で見聞きしている時は、分かり易い、丁寧だし器用だし軽妙、しかし「薄さ」を感じていた。
けれど生の迫力、引き込まれたね。やっぱり記録メディアじゃなくて、直に聞かなきゃいけないな、という思いを強くする。


そう思って最近、生で聞くより前に音源・映像で初めての噺・噺家さんに触れてしまうのが勿体ない気もする。音源・映像で知って、「この人を実際に聞きに行きたい」と思う出会いもあるので、微妙なところなのだけど。


談修さん、談慶師匠との打ち上げ話もすごい盛り上がって楽しかったわー。色々と貴重な裏話とか過去話を!師匠に25時間うち半分くらい見ていた様子も伝えられて、そいで喜んでもらえてよかった。しかも当日のご本人さま日記に「25時間落語」を半分も観ていたという、若い女性ら、」と言及され、うれしいよミーハー子。


「色んなものの追っかけを今までやってきましたが、これだけ芸人さんとの距離が近い業界は初めてで驚きました」というと、「えー!オレなんかお客さんと喋りたくてしょうがないけどねー!」と仰られた談慶さん。いい人だ。


「談志師匠なんてそれこそ人と喋るのが好きでね。ここの落語会にも来てたよ。しかもこんな若い人がいたら喜んで喋り出しちゃうよきっと」という情報に、マジッスカ!マジッスカ!!と心が湧いた。直!談志てアータ、ヤバイッスヨ!


ある友人のコント作家について、お母さんが言った言葉を重ね重ね思い出した。


彼とは最近縁が戻っただけで、大して今まで密に連絡をとりあっていたわけでもない。ただ携わってる公演があれば観に行ったり、ちょっと片付け手伝ったりしていただけで、そんな子は他にもいっぱいいただろう。しかもそれは何年も前日本に居たときのことだ。


でもその人は私のことをちゃんと憶えていてくれて、即日完売で売る必要のない人気公演のチケットなのに、招待でも呼びたいと言ってくれて、あまりに感動してお母さんにまで「ねえねえ聞いて!聞いて!」と話した。


あれから4年余りたって、続けてくれて、しかも出世してくれてるだけでも嬉しいのに、ちゃんと構ってもらえるなんて、というと、母は、「そういう縁を大事に出来る人だから出世したのよ」だって。なるほどね。最後は人柄だって、どこの業界でもいいますわな。