今日も生きてる

美、ではなくて、笑いは世界を救う


おととい一番笑ったこと:

弟とドライブ中、Choo Choo TRAINがかかって、素でEXILEのことをZOOと言ってしまった。
直後に自分で気付き、「ナナナナニコレ!!わー恥ずかしい!お、お、お...」と言い終わる前に、弟が、「おばは〜ん!!ちょっと勘弁して〜」とつっこんでくれた。

師匠オブ・マイハートの一人、教師・文筆家の大川公一先生は、
「『美は世界を救う』と言ったのはドストエフスキーで、それをソルジェニーツィンノーベル文学賞授賞スピーチで引用していました。僕も来世紀には、芸術作品のもつ沈黙の美が宗教にとってかわって世界を救うと思う。」
という文を以前書いていて、美術専門の私が言うのもなんだけど、私はそこまで楽観的な夢を見れるほど強くないから、そんなバカな夢を本気でまっすぐ見ている大川先生は、最高に男らしくて格好いいと思った。

その美点を男らしさというと政治的に聞こえが悪いけど、比較の問題でいえばこういうバカかっこよさは女の人には持ちがたいと思うし、逆に、(比較的)女の人だけが持ちうる美点というのもいっぱいあって、そういう意味で私はけっこう性差肯定派で、上下じゃなくて、違うからこそ惹かれ合い、違うからこそ補え合える、と思う。

もちろん性差を超えて素敵な性質を持った例外的人物、というのもいるだろうし、それが美しいならそれはそれでいいじゃないという考え。ただ、「男らしさ」「女らしさ」だって、「自分らしさ」や「人間らしさ」と同じくらい素敵じゃないかと思うって話。

で、あれ、全然話違っちゃった。
何が言いたかったというと、私は自信満々で「美は世界を救う」って言えないけど、「笑いは世界を救う」とは言えるなって、ずっとへこんでたおととい、それでもZoo失言に爆笑しながら思った。

かなしいときでも、笑いさえあれば、目の前の風景が変わる。すごいことだ。
だから私は、切ない話でも、暗い話でも、ドロドロした恋の話でも、笑いがあるものが好きだ。
よしもとよしともも、古谷実も、リリー・フランキーも、Love Actuallyも、American Splendorも、マイケル・ムーアも、Eminemも、Sublimeも、ホントは笑い事じゃないけど、だからこそ笑ってやるぜっていうのがあっていい。

たとえばDay After Tomorrowデイ・アフター・トゥモロー)って大した映画じゃないけど、脚本が結構いいと思ってて、極北の観測所の3人が一番好き。

3人は、災害から避難しなければ死ぬと分かっているのに、家族の所にも帰らないで、最後までお国のため(英国)と人類のために観測を続ける。
けれど誰も泣き言は言わずに、くだらない冗談を言い合い、女の話に軽口叩き合い、メンバーの一人、サッカー狂のCは、終始試合のビデオを見ながらギャーギャー言って仕事を続ける。
最後の最後に、迫り来る死を覚悟したむさ苦しい男達3人は、とっておきのお酒でサヨナラの乾杯をする。
で、その時3人が杯を掲げてそれぞれ言うセリフ、

A「大英帝国に...」
B「人類に....」
C「マンチェスターユナイテッドに...」

この危機の中三段オチ!!!これ程泣けて笑える三段オチがかつてあっただろうか?いやない!少なくとも私は知らない。延々このCが劇中サッカーを見続け、仕事そっちのけでウダウダ言ってるというのは伏線で、全部このセリフのためか?後付けかも知れないけど、これが脚本書き始めから作家の意図だったら、私はその作家を最高に信用するね。